家事代行サービスで開業するときに気になるポイント
以前は一部のお金持ちだけしか利用しない印象が強かった家事代行サービスは、ライフスタイルの変化や家事に対する考え方の変化もあり、少しずつ利用者が増加しています。
2016年下期のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の影響や、調理師免許を持つ若い女性出張シェフがたびたびメディアで取り上げられるようになったこともあって、家事代行サービスの認知度は高まっていると言えるでしょう。
このコラムでは、家事代行サービスを開業したいと考えている人に向けて、開業の仕方や気になる開業資金のことなどについてまとめました。
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家事代行サービスってなに?業務の範囲は?
家事代行サービスとは、利用者の自宅などの指定場所で掃除や洗濯、料理などの炊事やその他の家事を代行する業務です。 定期または不定期に利用者の希望する時間内であらかじめ要望された家事を行います。 家事代行サービスの提供する業務の範囲は、炊事のほかに、在宅介護サービスや家事サービスを援助するホームヘルパー、ベビーシッター、ハウスクリーニング、庭木の手入れや除草など家のこと全般にわたります。 共働き家庭の増加や高齢者の増加で、将来的にますますニーズは高まっていくことが予想されます。
ハウスキーパーと家事代行の違いが気になる人もいることでしょう。 ハウスキーパーは、サービス提供者が利用者と直接契約をするのに対し、家事代行ではサービス提供者が家事代行の事業者と業務委託契約を結んでいる点が異なります。
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家事代行サービスを開業するのに必要な手続きは?
家事代行サービスを開業するには、特に必要な免許などはありません。 個人の場合は税務署に「個人事業の開廃業等届出書」を提出します。 法人を設立する場合は、税務署のほかに従業員を雇用するかどうかなど、必要に応じて社会保険事務所や、公共職業安定所、労働基準監督署で手続きが必要です。 家事代行サービスは大きな設備や許認可を必要としないので、開業時に必要な資金も少なく参入しやすい業種と言えるでしょう。
そのため、住宅会社や電力会社など「住まいや暮らし」に関連する多業種の参入も見られます。 大手ではフランチャイズ展開を積極的に行っているところもありますので、フランチャイズを利用して起業するのも一つの方法です。
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家事代行サービス開業に必要な資金は?
ハウスクリーニングをメインに行うなど、特別な掃除器具などを購入しなければ開業に必要な設備資金はほとんどありません。 依頼を受けるのに必要な電話やFAX、パソコンなどの事務機器が最低限あれば問題ないことがほとんどです。 しかし、オフィススペースを賃貸した場合は敷金、礼金や、賃借料が別途必要になります。 また、仕事の依頼を受けるには、まずは開業したことを広く知らせることが必要です。 開業しただけでは誰もサービスの存在を知らないので、ホームページの開設やチラシの制作、SNSでの発信などで自ら情報発信を行っていくことが大切です。 従業員を雇用する場合は、仕事の有無にかかわらず人件費が固定費としてかかりますので、少なくとも開業して数ヶ月分の人件費は開業前に確保しておくことが望ましいでしょう。
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家事代行サービス関連の資格は?
家事代行サービスを始めるのに免許や資格は必要ありません。 基本的に、これまで行ってきた家事を元にして業を行うことになりますが、技術の向上に対しては民間資格が多数存在しています。 ハウスクリーニングに関するものとしては、全国ハウスクリーニング協会が認定するハウスクリーニング技能検定があります。 パートやアルバイトなどを含めて受験するには3年間の実務経験が必要です。
また、ハウスクリーニングの独立開業をする人に向けた資格としては、日本ハウスクリーニング協会のハウスクリーニング士があります。 家事一般の資格としては、ハウスキーピング協会のハウスキーピングコーディネーターや、整理収納アドバイザー・コンサルタントなどがあります。 資格は等級別になっているので、整理収納の知識や技術、掃除の基本知識を段階的に学ぶことができます。 日本家事代行協会の家事代行アドバイザーは、自己流で行っている家事をビジネスに生かすことを目的に設立された講座です。 ハウスクリーニング、整理収納、家事代行の別々のスキルを一度に学べる講座もあります。
日本看護家政紹介事業協会の認定する家政士は、介護や保育での実務経験が5年以上ある人に受験資格があります。 紹介所を経由して仕事をしたい人のための協会なので、独立起業とは異なりますが、独立前に経験を積む場としては検討してみるとよいかもしれません。
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フランチャイズ加盟のメリット&デメリットは?
起業を考えるとき、個人で開業するかフランチャイズで開業するかは迷うところでしょう。 フランチャイズのメリットの1つは、未経験でも参入できることです。 すでに確立されているビジネスモデルがあり、本部からのサポートもあるので、事業の経験がなくても起業することができます。
2つ目は、本部のブランド力を生かせる点です。 本部のブランド名がすでに一定の知名度を持っている場合は、集客にも有利に働くことが期待できます。
3つ目は、開業資金の面で有利なことがあげられます。 銀行からの融資を受けやすく開業資金の調達が比較的容易にできるだけでなく、自分で独立開業する場合よりも、サービスに必要な設備を利用できることが多いので、低コストで始められるケースが多いようです。
一方、デメリットもあります。
1つ目は、フランチャイズのブランド力を活用していることの裏返しで、何らかの不祥事が起こった場合は、その影響を受けることが多いことです。
2つ目は、運営方法や仕入れ先などで多くの制約があることです。 自分の好きなように経営をしたいと考えている人にとっては、自由度が低いと感じられるでしょう。
3つ目は経営の状況に関係なくロイヤリティーを支払う必要がある点です。 フランチャイズ加盟店になると、毎月本部に対してロイヤリティーの支払い義務があるため、売上が芳しくないときもコストが発生します。 適切なロイヤリティーを設定しているフランチャイズ選びが欠かせません。
4つ目は、競合避止義務や契約期間が存在していることがあげられます。 多くのフランチャイズでは契約期間を設けているため、途中で契約を解除することになった場合は違約金が発生します。 また、多くの場合、契約終了後も同業種での営業を禁止しています。
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まとめ
家事代行サービスは時給換算すると2,000円程度が一般的といわれています。 1日8時間で月20日の稼働であれば月収30万円を超えることも難しくはないでしょう。 しかし、事業主となれば、雇用されている場合とは異なり自分で事業に必要な経費や年金や健康保険などの社会保険料、そのほかの税金を支払わなければなりません。
一方で、開業すると自分の好きなように経営をすることができるのは大きな魅力です。 働けば働いた分だけ自分に返ってくるので、やり方次第では大きく収入を伸ばせるチャンスもあります。 開業の手続きやフランチャイズ加盟のメリットとデメリットなどを踏まえて、自分にとって一番いい開業スタイルを見つけましょう。
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