【開業】フリーランスは開業届を出すべき?基礎知識を得て失敗しない選択を
フリーランスを始めて、少しずつ仕事にも慣れてきましたか?そんな時、「開業したほうがいいのかなぁ?」という疑問にぶつかります。
実際のところ、フリーランスは開業届を出したほうがいいのでしょうか?
結論としては、開業届を出すことでフリーランスの活動を有利に進められる可能性があります。
税金が安くなる制度が使え、個人事業主として社会的に認められ活動しやすくなります。
一方、開業届を出すことで不利益が出る方もいます。
あなたはどちらに当てはまるでしょうか?
この記事では、【フリーランスが開業届を出すべき理由】や【開業の基礎知識】についてお伝えします。
開業届を出すかどうか判断したい方は、ぜひお付き合いください。
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フリーランスは開業届を出すべき?
まず「開業することの意味」を簡単に整理し、開業届を出すべきかどうかお伝えしていきますね。
1-1.「開業」と「開業届」
「開業」とは、新たに事業を始めることです。
事業として仕事を行っていれば、フリーランスでも既に開業していることになります。
以下の要件を満たせば事業となります。
・仕事を繰り返し行っている(反復)
・一時的ではなく継続して仕事している(継続)
・個人で仕事している(独立)
開業した人は税務署に対して「開業届」を提出し、事業を始めたことを知らせます。
開業届を出すことで、今後社会から個人事業主として扱われます。
フリーランス・・・法律上の区分ではなく、働き方の分類の一つ。
会社などに属さず、個人で仕事を請け負う。
個人事業主・・・国の税金の仕組みとして、個人で事業を行う人をどう取り扱うかの法律上の区分。
開業届を出すことで個人事業主になる。
1-2.開業届を出すのは義務だが、実情としては任意
フリーランスの仕事が事業である場合、開業届を出すのは義務です。
しかし実際は、開業届を出さないからといって法律違反でペナルティを受けることはありません。税務署から何か言われることもありません。
開業届を出すかどうかは、自身の事情を考慮して判断すれば大丈夫です。
▼開業届提出の義務
参照:所得税法第229条|e-Gov法令検索
なお、フリーランスとしてある程度の収入があれば、開業届に関わらず、確定申告して必要に応じて納税します。
この点が誤解されることがあるので、注意してください。
1-3.開業するメリットは大きい【開業できる人はした方が良い】
開業届を出すのと出さないのでは、主に「税金面」「社会的信用の面」で大きな違いがあります。
開業届を出すのか、しっかり判断しないといけません。
フリーランスの活動が事業レベルなら、基本的には開業届を出したほうがいいでしょう。
メリットが非常に大きいです。
- 税金面で有利な扱いを受けられる【節税】
- 社会から個人事業主として扱われる【信用・証明】
一方、健康保険の扶養に入っている方や会社を退職する方は、デメリットが大きくなってしまう場合もあります。
メリット・デメリットを天秤にかけて判断する必要があります。
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開業届を出した方がいい理由【メリット】
開業届を出すと、具体的にどのようなメリットがあるのかご紹介します。
本当に大きな違いがあるので、しっかり読んでおいてくださいね。
2-1.税金面で有利な扱いを受けられる【節税】
開業届を出す最大の目的は、青色申告をして税金の支払額を減らすことです。
「青色申告」と聞いた途端に身構えた方も多いかと思います。
確定申告のやり方は2種類あり、「白色申告」と「青色申告」があります。「白色申告は簡易の申告、青色申告はきっちりした申告」と理解しておけば間違いありません。
青色申告ではきっちり申告する見返りとして、税金が安くなる様々な制度を利用できるのです。
・最大65万円の特別控除を受けられる
・家族の給与を経費にできる
・赤字を最長3年間繰り越せる
青色申告するなら記帳の手間はかかる
「きっちり申告する見返り」と書きました。
では、具体的にどのように申告するのでしょうか?
日々の取引状況を帳簿に記録(記帳)し保存、その帳簿内容を「青色申告決算書」に記入、確定申告の際に提出する必要があります。
記帳は正規の簿記の原則である複式簿記で行いますが、簡易帳簿で記帳しても大丈夫です。
このような帳簿を元に確定申告書を作成するため、きっちりとした申告となるのです。
2-2.社会から個人事業主として扱われる【信用・証明】
税務署に開業届を提出すると、「受付印を押した控え」がもらえます。
この控えがとても大切です。フリーランスの活動をしていると、個人事業主として実際に活動している証明を求められることがあります。それが「開業届の控え」です。
【開業届の控えを求められる場面】
・屋号付きの銀行口座の開設
・公的な助成金、補助金の申請
・事務所などの不動産契約
・融資を受ける
・クレジットカード、QRコード決済の導入
その他、子供の保育園の申請時に「就労証明書(働いていて家庭で子供を見られない証明)」を提出するのも楽になります。
▼開業届を提出し、受付印を押した控えをもらう
▼コロナ禍での補助金
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開業届に慎重になるべき場合もある【デメリット】
開業届のメリットは、みなさんに関係のある内容です。
一方デメリットは、特定の方に関わるもの。デメリットが大きい場合は後先考えずに開業してはいけません。
3-1.健康保険の扶養から抜ける可能性
現在、どのような形で健康保険に加入していますか?配偶者など家族の健康保険に、扶養として加入している場合は要注意です。健康保険組合の規定によっては、個人事業主はたとえ収入が少なくても扶養に入れないことがあるからです。
扶養として健康保険に加入している場合、保険料は無料です。
しかし、扶養から抜けてしまうと、個人事業主などが加入する「国民健康保険」に加入し、新たに保険料を支払うことになります。
事業収入が少なく、青色申告での節税効果が望めない方は、国民健康保険料の支払いというデメリットが大きくなってしまいます。
▼こちらの方は扶養に入れなかったため、結局一時的に廃業して扶養に入ったようです。
3-2.退職しても失業給付が受けられない
会社を退職してフリーランスになる方は要注意です。
失業給付の受給を予定しているかもしれませんが、開業届を出して個人事業主と認められると失業給付を受給する資格がなくなります。
事業収入が少なく、青色申告での節税効果が望めない方は、失業給付をもらえないデメリットが大きくなってしまいます。
なお、失業給付の受給が決定した後に開業届を出した場合は、「再就職手当」を受給できる場合があります。
失業給付など開業届のデメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
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フリーランスが開業届を出す手続き
開業届けを税務署に提出するステップは、以下の3つです。
4-1.開業届を入手する
開業届は国税庁のホームページでダウンロードできます。
税務署の窓口でもらうこともできます。
▼こちらでダウンロードできます
個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁HP
e-Taxという国税庁のシステムを使えば、自宅にいながらインターネット上で手続きを完結することも可能です。
事前準備は必要ですが、今後確定申告などもインターネット上で行えるので便利です。
4-2.必要事項を記入する
必要事項を記入して、開業届を完成させます。
とはいえ、どう書けばいいのかわからないですよね。
開業届に記入する際は、こちらの記事を参考に完成させていただければ簡単だと思います。かなり丁寧に書き方をご案内しています。
4-3.提出する
提出先は、基本的には自宅住所を管轄する税務署です。
税の手続きをどこの税務署で行うかを定める「納税地」を、開業届で自宅住所以外に設定した場合はそちらの管轄税務署に提出してください。
▼全国の税務署
国税局・税務署を調べる|国税庁HP
郵送あるいは直接税務署まで持っていき、開業届を提出しましょう。
その際、控えの提出も忘れずに。マイナンバーが必要になる点にも注意が必要です。
開業届の入手・提出については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
4-4.青色申告の手続きも必要
青色申告をするには、開業届に加えて「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。
開業から2ヶ月以内に出さなければいけないので、開業届と一緒に提出しておくのがベストです。
また、家族に支払った給与を経費にする場合も、別途「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出します。
こちらも開業から2ヶ月以内に提出してください。
▼こちらのサイトでは、年収などを入力してどれぐらい節税できるか試算できます
青色申告の税額診断|freee
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リーランスとして開業する際に知っておくべきこと
最後に、開業にあたっての注意点をお伝えします。
特に開業時期については気になる方も多いと思いますので、参考になさってください。
5-1.開業届はいつまでに出せばいいのか?
法律上は、事業を開始してから1ヶ月以内に提出する義務があります。
しかし、実情としては、開業届を出すのはいつでも問題ありません。
ただし先述したように、青色申告承認申請書は、開業後2ヶ月以内に提出しなければなりません。
遅れると、その年は青色申告できず、税金を安くする制度も利用できません。
開業届を出す方は、青色申告して税金面で有利な取り扱いを受けたい方がほとんどですよね。開業届と青色申告承認申請書は、忘れないうちに一緒に提出しておくのが間違いないです。
開業日としたい日がある場合は、その日から1ヶ月以内に提出してください。実際の提出日よりも1ヶ月を超えて遡っては、開業日を設定できないからです。
ただ、実際の税務署の運用としては1ヶ月以上前の開業日も設定できるという話も聞きますので、開業届を提出する税務署に問い合わせていただくのが確実です。
5-2.会社を退職してフリーランスとして開業した人がやるべきこと
会社を退職して開業する場合は、健康保険と年金の手続きを忘れないようにしましょう。
- 社会保険から国民健康保険への切り替え
- 厚生年金から国民年金への切り替え
また、会社に在籍中から開業準備をしている方は、開業準備にかかった費用を経費にして節税できる可能性があります。
そのためには開業届の提出が必須。詳しくはこちらの動画をご覧ください。
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まとめ
フリーランスは開業届を出すべきか?についてお伝えしてきました。
・開業届の提出は義務だが、実際は任意の状態。
・税金面や社会的な信用の面で、基本的には開業届を出すメリットが大きい。
・健康保険の扶養・失業保険の関係で、デメリットが大きくなることもある。
開業のメリット・デメリット、加えて基礎的な知識もお伝えしましたので、ぜひ開業の判断にお役立てください。
より有利に手続きを進め、フリーランスや個人事業主として成功していかれることを心より願っております。
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