【ドミナント出店とは】FC本部ができるサポート内容も紹介
ドミナント出店とは、特定の地域で多店舗展開することです。
多店舗展開して特定地域の市場を独占することを、ドミナント戦略と言います。
ドミナント出店のメリットには、「競業他店の参入防止」や「物流・移動コストの削減」などがありますが、もちろんデメリットも存在します。
では、多店舗展開してフランチャイズ化をしたい場合、ドミナント出店のデメリットを踏まえた上で、本部としてはどのようなサポートができるのでしょうか?
ドミナント出店のメリット・デメリットを押さえつつ、FC本部ができるサポート内容について解説します。
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ドミナント出店とは
ドミナント出店とは、特定の地域に多店舗展開することです。
これにより、周辺地域の市場を独占することをドミナント戦略と呼びます。
みなさんがお住まいの地域にも、「やっぱり外食するなら●●だよね!」という、定番の店はありませんか?
店舗数が多いほど認知度は高くなり、「○○と言えば●●!」というようなイメージさえついてしまえば、同業他店が参入してきても敵ではないでしょう。
市場の独占によるメリットやデメリットはさまざまですが、この戦略を利用して成功した企業も多数存在します。
例えば、大手コンビニフランチャイズのセブン-イレブンや、コーヒーチェーンのスターバックス、ハンバーガーチェーンのラッキーピエロなどです。
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ドミナント出店のメリット
特定の地域への出店を集中することにより、「物流や移動コストの削減」「広告宣伝コストの削減」など、さまざまなメリットがあります。
こうしたメリットは、フランチャイズ加盟者にとってプラスとなることでしょう。
また、フランチャイズ本部にとってもプラスになるメリットもあります。
2-1. 物流・移動コストの削減
ドミナント出店すれば、店舗間の距離が近いため、物流やスタッフの移動コストが削減できます。
食品関係の場合は、移動時間が少ないため、食材が新鮮なまま店舗に届けられるというメリットもあるでしょう。
店舗によって、食材の鮮度の差が開かないこともメリットの1つです。
2-2. 広告宣伝コストの削減
オープン直前・直後やイベント時には、チラシや広告による宣伝が欠かせません。
同一エリアに出店しない場合、その店舗専用のチラシや広告の作成が必要ですが、商圏エリアが同じであれば広告宣伝コストが削減できます。
つまり、A市・B市・C市で1店舗ずつ出店すれば、A~C市の世帯数などに合わせたチラシ枚数が必要です。
広告を掲載するとなれば、各市で有力な情報誌を見つけて掲載を依頼することもあるでしょう。
チラシの枚数や掲載媒体が多ければ、それだけコストがかかってしまいます。
しかし、A市に3店舗出店していると仮定したら、発行するチラシ枚数はA市の世帯数のみとなり、コストの削減が可能です。
2-3. 競合他店の参入防止
特定地域の市場を独占することにより、競業他店の参入を防止できることも、ドミナント出店のメリットの1つです。
なぜなら、その地域にて自店舗のイメージが浸透していれば、競合他店が商売をするのは難しいからです。
「市場が独占されているから参入できないとはどういうこと?」とよく分からない方のために、「オリンピック」で例えて説明します。
「マラソン選手としてオリンピックに出場したい」とあなたは考えていますが、日本には優秀なマラソン選手が多数在籍しており、オリンピックの出場枠はその人たちで埋まりそうだとします。
そこで、オリンピックに出場するために、あなたは国籍を変更しました。
国籍を変更した国では、有力な選手が少なかったため、無事にあなたはオリンピック出場枠を確保し、世界の舞台で戦えるようになりました。
「国内でも実力があれば出場枠に入れるのではないか?」
こう思った方もいることでしょう。
実力が十分にあれば、どんな舞台や市場でも戦えると思われがちですが、競合が少ない場所の方がより有利に戦えます。
これはオリンピックの例え話ですが、ドミナント出店でも同様です。
このように、ドミナント出店により市場が独占されているのであれば、競合他店は参入しない方が無難だといえるでしょう。
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ドミナント出店のデメリット
ドミナント出店には、さまざまなメリットがありますが、それと相反するようにデメリットが存在します。
これからご紹介するデメリットに目を通してもらえれば、その意味をよく理解していただけると思います。
3-1. 供給過多
多店舗展開で市場を独占した結果、供給過多になることもあります。
その地域であれば、どこにでもある店舗となるため、顧客数が分散され1店舗当たりの客数が少なくなるということです。
顧客が少ないままの状態では、各店舗の売り上げは伸びません。
市場の独占を目標にドミナント出店したものの、店舗ごとの売り上げが伸びなければ意味がないでしょう。
また、フランチャイズ本部が、加盟店の開業資金等を立て替えているのであれば、ロイヤリティの未払いや廃業などにより、加盟者のみでなく、本部にもダメージが及ぶ可能性が大きいです。
3-2. 店舗間での顧客の奪い合い
店舗が増えすぎて、供給過多になってしまえば、店舗間での顧客の奪い合いが起こることもあります。
特に美容室やリラクゼーションサロンなど、指名客が付きやすい職種においては、顧客の奪い合いが起こる可能性が高いです。
市場を独占することが目的だったはずが、競争相手を間違え、共食い状態となってしまう恐れがあります。
3-3. 災害発生時は同時に被災してしまう
災害時には、停電や断水などが起こることもありますが、特定の地域で多店舗展開していると、複数の店舗が同時に被災してしまう危険性が高いです。
復旧するまでに時間がかかった場合、売り上げも当然減ってしまうため、本部へのダメージも大きいでしょう。
また、長期間復旧作業が必要であれば、売上がないどころかロイヤリティの徴収もできません。
フランチャイズは、加盟金やロイヤリティを主な利益とするビジネスです。
このような不測の事態に加盟店が巻き込まれてしまった場合、ロイヤリティの徴収は難しくなるでしょう。
それどころか、復旧のための支援が必要とされる場合もあります。
同じ地域でも、災害によっては被災地域が異なります。
例えば、集中豪雨による被害があったとして、「洪水によって水没する可能性の高い地域」と「土砂崩れに巻き込まれる危険性の高い地域」には違いがあるはずです。
災害によるリスクを回避したいのであれば、商圏調査だけでなく、防災マップなども活用してみるとよいかもしれません。
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多店舗展開のためにFC本部ができるサポート
ドミナント出店は、直営店・フランチャイズ加盟店のどちらでも有効な手法です。
しかし、フランチャイズ加盟店は直営店とは異なり、経営者が違います。
直営店であれば、会社の指示通りに動きますが、加盟店は経営者の希望に合わせた出店や経営をすることがあるため、すべて思い通りに動かすことはできません。
加盟者がドミナント出店のメリットやデメリットを知らないまま、希望の土地や物件に出店すると、経営がうまくいかない可能性もあるでしょう。
そこで、ドミナント出店をしたいと考えているフランチャイザーのために、フランチャイズ本部ができるサポートについてご紹介します。
4-1. 商圏調査
フランチャイズによっては、加盟者の希望に合わせて新店舗を開業することもあります。
しかし、同一エリアに競合店舗が集中していたり、ほかの加盟店が存在していたりする場合、加盟店の売り上げが伸びない可能性もあるでしょう。
そこでFC本部ができるサポートは、「商圏調査」です。
これを行うことにより、出店希望地域での売上予測を提案した上で、よりよい立地条件の物件探しを勧めることもできます。
本部としてもリスクを回避できるため、ドミナント出店の有無に関係なく、商圏調査はマストでしょう。
の記事はこちら
4-2. エリア・物件の選定
同一エリアの出店数の制限や、店舗間の距離をある程度保ちたい場合はどうすればよいのでしょう?
その場合は、本部が出店エリアを決定したり、物件を選定したりすることも可能です。
本部が指定する物件で加盟店を経営させるのであれば、物件の指定有りのパターンで加盟金やロイヤリティの設定をしておきましょう。
あらかじめ決めておけば、今後同じ条件でフランチャイズに加盟したい方が現れても、スムーズな提案が可能です。
コンビニフランチャイズでは、本部が指定する店舗を加盟者が運営する契約プランもあります。
実際に、店舗の用意がないプランとあるプランを比べて見ると、加盟金やロイヤリティが異なっていました。
大手コンビニフランチャイズは、ドミナント出店で成功したよい例のため、契約プランを見比べて参考にしてみるのもおすすめです。
の記事はこちら
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ドミナント出店する際の留意点
ドミナント出店にはメリットがある反面、それと表裏一体のデメリットがあることもわかりました。
これらのデメリットによるリスクを避け、ドミナント出店で成功を収めるには、どのような点に留意すればよいのでしょうか?
ドミナント出店で成功したいフランチャイズ本部のために、実行する際の留意点について解説します。
5-1. 競合のイメージが定着している地域には参入しない
ドミナント出店のメリット・デメリットで紹介したように、市場を独占すれば競合他店の参入は防げるものの、独占されていれば参入は難しくなります。
利便性や価格設定などで不利になってしまう可能性もあるため、売り上げを出すのが難しいかもしれません。
市場が独占されている状態で、十分な売り上げが得られるという勝算や具体的な戦略がなければ、その地域への出店は見送ったほうが無難でしょう。
わざわざリスクを冒してまで出店する理由がなければ、ほかの地域での出店を検討したほうが賢明です。
5-2. 独占禁止法に抵触しないか留意する
ドミナント出店が加盟店の売上の悪化を招くにもかかわらず、本部が事前の取り決めに反してドミナント出店をすることは独占禁止法第2条9項第5号に抵触します。
(事前の取決めに反するドミナント出店等)
ドミナント出店を行わないとの事前の取決めがあるにもかかわらず、ドミナント出店が加盟者の損益の悪化を招く場合において、本部が当該取決めに反してドミナント出店を行うこと。
またドミナント出店を行う場合には、本部が損益の悪化を招くときなどに加盟者に支援等を行うとの事前の取決めがあるにもかかわらず当該取決めに反して加盟者に対し一切の支援等を行わないこと。
引用:公正取引委員会
もしドミナント出店する際、加盟店の損益の悪化を招くことが考えられるのであれば、加盟者に支援等を行いましょう。
こうした支援も行わなければ、独占禁止法に触れてしまう可能性が高いです。
事前の取り決めで、ドミナント出店することが決定しているのであれば問題はありませんが、どちらにせよ本部として加盟者への支援が必要になると考えられます。
5-3. ドミナント出店による売上向上の根拠を用意しておく
特定の地域で多店舗展開を計画する際、「どの店舗でも売上の向上が見込める」という根拠がなければ、机上の空論となってしまうでしょう。
そのような根拠のない提案は、実行する前にフランチャイズ本部の幹部によって却下されてしまいます。
ドミナント出店で、収益の向上が見込める根拠を提示するには、まずは直営店でのシミュレーションが必要でしょう。
もちろん、直営店でシミュレーションを実施する前にも、数字上のシミュレーションや綿密な計画を立てた上で、上司や幹部の承認を得なければいけません。
根拠を作る理由としては、フランチャイズ加盟店が同一エリアにいても、実行可能かどうかの判断が必要だからです。
本部としては、これまで作り上げてきたブランドの品質やイメージを崩すわけにはいきません。
ブランドの品質やイメージを維持しつつ、新たな戦略に切り替えるのであれば、それなりの根拠が必要です。
また、フランチャイズ加盟検討者の中には、ドミナント出店のデメリットをしっかりと理解している人もいるでしょう。
そのような人に対しては、「ドミナント出店でも加盟店の売り上げはこれだけの額が見込める」という、根拠の提示が必要です。
十分な根拠があれば、「このフランチャイズならドミナント出店であっても自分に利益がある」と安心し、成約につながる可能性もあります。
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フランチャイズ加盟店の募集なら「ビジェントフランチャイズ」にお任せ
ドミナント出店などの新たな戦略を開始した上で、加盟者の募集についてお悩みではないでしょうか?
契約内容が複雑であれば説明も困難になるため、加盟検討者も理解できず、契約に繋がらない可能性も十分にあります。
そこで、ぜひご活用いただきたいのが、「ビジェントフランチャイズ」の専任コンサルタントによるサポートです。
広告の打ち出し方や、他社事例などの情報共有など、フランチャイズに特化した情報サイトならではの経験から、フランチャイズ加盟店の募集を支援します。
そのほかにも、フランチャイズ本部の立ち上げに関することなど、お困りのことがあれば「ビジェントフランチャイズ」まで、お気軽にご相談ください。
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まとめ
ドミナント出店のメリットやデメリット、留意点などをご紹介しました。
公正取引委員会の公式サイトにもあったように、事前に取り決めのないドミナント出店を、加盟店に損失が出るとわかりながら実施することは、独占禁止法に抵触します。
また、実施するにはフランチャイズ本部による加盟店への支援も必須です。
フランチャイズでドミナント出店する場合は、そのメリットとデメリットをしっかりと理解しつつ、本部としてどのようなサポートを行えばよいのか決定しておきましょう。
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