開業前に確認!適正な家賃や売上予想の計算方法
人開業などの小規模事業、特に飲食ビジネスやサロンビジネスにおいては、営業店舗の「立地」の選定が大きくその後の経営に影響します。 ビジネスコンセプトに合った場所であり、なおかつターゲットとなる客層をしっかり集客できる立地であること、そして何より家賃がランニングコストや売上に見合った設定となっていることなどが極めて重要です。 そこで今回は小規模店舗ビジネスなどを開業したいという方を前提に、家賃の適正な設定額、そして売上を上げるために必要な基本的な計算方法などについて説明します。
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家賃額の適正は「売上予想額の10%」
小規模な店舗ビジネスの展開を考えた場合、飲食店ならば食材費などの費用、そして人を雇う場合の人件費などの経営に必要な経費がかかってきます。 これに光熱費と家賃を足したいわゆる「ランニングコスト」が1カ月あたりどれくらいかかるのかを細かく試算することが、売上を予測するためのスタート地点となります。 このランニングコストの試算と初期費用の回収率などを検討したうえでそれぞれの適正なコストを細かく調整しなければなりません。
一般的に家賃は売上の10%前後が適正とされているので、例えば家賃が15万円かかる店舗では1カ月あたり150万円の売り上げが必要と試算できます。 この売上に対して10%を超える家賃設定になると、利益率が非常に悪くなって初期投資の回収に時間がかかり、次の投資行動になかなか移れず時間が経つほどに経営が苦しくなっていきます。
ただこの目安に関してはそれぞれの業種によって細かく計算内容が変わってきますし、家賃額が同じ物件であっても集客力が全く違う場合もあるので、あくまで参考値として考えてください。
まずは一般論として「家賃は売上の10%」と覚えておきましょう。
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売上予想額を計算してみよう
次に売上の見込み予測をします。 売上を左右するのは次の3要素、すなわち「客単価」「客数」そして「回転率」です。 サロンビジネスや教室ビジネスでは「リピート率」も非常に重要ですがここでは省きます。
まず「客単価」はお客様が1回のサービスで使う予測額です。 提供するサービスの内容や競合店の調査などを元に決めていきます。
そして客数は1日平均の来客数です。 飲食ビジネスや美容院、各種サロンなどでは客席数やシート数、そしてその稼働率などから割り出します。 稼働率は満席時にどれくらい席が埋まっているかを示す指標です。 特に飲食店などでは重要な指標で、4人席が埋まっていたとしても3人しか座っていない場合は、単純に稼働率は75%ということになります。 この稼働率は70%ほどが通常とされています。
そして回転数は満席状態が1日のうちに何回回転したかを示す数値です。 社団法人日本フードサービス協会などの調査結果によれば飲食業では平均3.5回ほど、美容院などのサロンでは2回以上、という数値が一つの目安となっています。 これらの数値を掛け合わせたものが客数となります。 すなわち客数=客席数×客席稼働率×客席回転数ということです。 これに営業日数をかけ合わせることでおおよその売上予測ができます。
公式としては、売上額=客単価×客数×営業日数です。
たとえばカフェを例にあげると、
1日の客単価が800円、客数は客席数20、稼働率0.7、回転数3.5、
そして営業日数25日とすると、800(客単価)×49(客数=客席数20×稼働率0.7×回転率3.5)×25(営業日数)=980,000円(売上予測額)となります。
この売上額の10%が家賃の目安なので、家賃の適正は98,000円と予測できます。
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経費を抑えるにはどこを見直すべきか
上記のカフェの例では1カ月あたりの売上予測額は980,000円と予測しましたが、このうち純利益となるのは約25%ほど、あとの75%は営業経費になります。 営業経費の大部分を占めるのは「人件費」と「原材料費」です。 したがってこういった経費をいかに抑えるかということが、経営を左右することになります。
ビジネスが小規模のうちは人を雇う数を最小限にすること、そして特に飲食業の場合には食材費などの原材料費にかかるコストを低く抑える努力をすることが重要です。
しかしこれにも注意が必要で、競争の激しい分野では原材料費にコストをかけることでブランディングを図り、そのことで客数やリピート率を上げる、という戦略をとる店舗も増えてきています。 経費を抑えることは重要ですが、それ自体を目的化せず、あくまでも売上額を最大化するために無駄な費用を削る、といった発想が必要です。
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売上を上げるコツ1 客単価を上げる
では売り上げを上げるにはどういった工夫をすればいいでしょうか。
まずは「客単価」を上げる工夫が必要です。
客単価を上げるにはどのような分野であれ、何らかの「付加価値」をお客様に提供しなければなりません。
例えば飲食店ならば、「原材料にこだわったメニュー」あるいは「そのお店でしか味わえないメニューの組み合わせ」といったもの、サロンビジネスならば「施術者の技術にブランド価値があること(コンテスト入賞経験や特別な資格を持っていること、あるいは接客が得意であることなど)」、「そのサロンでしか満たせない特殊なニーズがあること(40代女性の腰痛を和らげる専門技術があるなど)」といったサービスを提供できれば、お客様はそのサービスに特別な価値を感じてくれます。
特殊な強みがなくても周りに競合がいないメニューなど「差別化」によっても価格設定を高めに設定できることはあるので、今一度自分たちが提供するサービスの「付加価値」について、あらゆる面で棚卸ししておくことが重要です。
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売上を上げるコツ2 回転率と稼働率を上げる
次に売上を上げるための工夫として重要なのは「回転率」と「稼働率」を上げることです。 そのためには「集客」と「内装」の両面で工夫する必要があります。
まずはお客様が来てくれないと回転しようがないので、「集客力」を上げることが重要です。 集客を上げるためにはアナログ、ネットなどでの「広告」が必要になるため、さまざまな媒体を使ってその費用対効果を試行錯誤していかなければなりません。 クーポンの発行などでリピート率を上げる工夫も大事です。
そして稼働率を上げるには「客席数」や店舗内の配置を工夫することも効果的です。 特に飲食店などでは業種を問わず1人客の利用が増加している傾向にあるので、こうしたお客様を4人席などに誘導すると非常に効率が悪くなります。 そこで内装や設計段階において「カウンター席」や「2人席」などの席効率のいい客席を作ることが、客席稼働率アップに大きく貢献します。
そしてこれと同時にこうした席への誘導、動線の確保などのレイアウト上の工夫も重要でしょう。 あまり露骨にやり過ぎる業種内容によってはお客様の満足度が減少することもありますから、総合的なバランスを考えたうえで稼働率の高い内装設計にしておくことが大切です。
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まとめ
売上予測額から考えた家賃の適性の目安、また売上予測額の基本的な計算式、そして売上を上げるために工夫すべき項目や指標などについて簡単に説明してきました。 細かい数値や内訳については業種やサービス内容によってかなり違ってくるので、あくまで一般論としてこうした基本知識を押さえておきましょう。 といっても家賃をできるだけ低く抑えるということは事業経営の基本中の基本です。
また、ただ単に安いだけでなくターゲット層を集客できる立地であること、競合店が周囲に多すぎないことなど、いくつもの条件をクリアする必要があります。 まずは基本的な計算式を理解しておき、そのうえで自分の展開するビジネスにあった条件などを細かく予測しておきましょう。
できるだけ綿密に事業計画を立てておくことは事業経営に欠かせないだけでなく、金融機関や公的機関から融資を受ける際にも非常に重要です。
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