これだけある!起業の資金調達方法とそれぞれの特徴
起業を行う際に、まず考えなくてはならないのは資金調達をどのようにして行うかです。 資金調達の手段自体はたくさんあるのですが、企業としての実績がない状態でお金を借りるとなるとそれだけハードルも高くなってしまいます。 また資金を用意できたとしても返済条件に無理があれば途中で破たんすることにもなりかねません。 起業を成功させるには資金調達に関してなるべく広い視野を持ち多くの選択肢の中からベストの方法を選ぶことが大切です。
しかし初めて事業を行うという人の中には、その方法についてよく知らないという人もいるでしょう。
そこで事業を行う際の資金調達の主な手段とそれぞれのメリット・デメリットについて解説をしていきます。
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最初に検討したい!用意できる自己資金の額
資金調達の方法を考える前に、まず自己資金でどの程度賄えるかを検討する必要があります。 起業資金における自己資金割合が大きければ、それだけ返済の負担も軽くなり資金繰りの安定化を図れるからです。 ちなみに自己資金には貯金や退職金の他にも株や不動産の売却料金、保険の解約返戻金なども含まれます。 それらを合わせていくらになるかを計算してみましょう。 できれば起業に必要な資金の3分の1から2分の1程度は自己資金で賄いたいところです。
なぜなら創業融資の審査では自己資金割合が問われることが多い傾向で、その際に一定の割合をクリアしていないと融資自体が受けられない場合があるからです。 それを考えると飲食業や不動産業なら500万~1,000万円程度、比較的少ない資金で起業できる事業でも100万~300万円程度の自己資金は用意しておいた方がよいことになります。 もし貯金や売却できそうな土地、株などもないというのであれば起業を決意した時点からコツコツと貯蓄を行いましょう。 ある程度の資金がたまってから計画を実行に移すことがおすすめです。
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返済不要が最大の利点!国や自治体の補助金と助成金
自己資金以外で起業資金調達の方法を考えるならば、まず国や自治体による補助金や助成金について検討すべきでしょう。 なぜなら、これらは原則として返済不要だからです。 うまく活用すれば事業を軌道に乗せる強力な武器となります。 ただし両者とも後払い制になっているのでその点は注意が必要です。 通常の融資の場合は開業前にお金を借り、それを開店資金として利用できます。
ところが補助金や助成金の場合は、まず先に開業をし、その実績を見た後で融資をするかどうかを決めるという仕組みになっているのです。 つまり開店資金そのものは別の手段で用意しなければならないことになります。 ちなみに助成金と補助金の違いとしては前者が一定の条件をクリアしていれば必ず受給できるものです。 それ対して後者は全体の予算が決まっているため、たとえ条件を満たしていても応募者が多ければ審査で落とされる可能性があるという点が挙げられます。
また助成金は比較的募集期間が長いのに対して補助金の募集期間は短く1カ月程度しかないケースも珍しくないといった点も大きな違いです。
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無理なく返済できるものを選びたい!金融機関の融資
金融機関からの融資は資金調達の手段としては最もオーソドックスな方法です。 ただ問題は「どの金融機関を利用するか」がポイントになります。 たとえば銀行は比較的低金利でお金を借りられるというメリットがありますが、何より信用を重視するため、実績がまったくない設立前の会社では融資をしてくれる可能性は低いでしょう。
また信用金庫は融資のハードルは銀行よりも低い傾向ですが、金利が高めというデメリットがあります。 そこで、おすすめしたいのが自治体による制度融資です。 これは「自治体」「信用保証協会」「金融機関」が協力をして中小企業がなるべく低金利で資金調達ができるようにした制度です。 この制度を利用することで無担保低金利で融資が受けられる可能性が高まります。 ただし最初の相談から融資が行われるまで2カ月ほどかかる場合があるので注意が必要です。 さらに自己資金割合が50%以上という要件が求められることが多い傾向のため、申請者にとってはデメリットにもなりえます。
一方、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用するのもひとつの手です。 こちらは無担保低金利に加えて制度融資よりも比較的早く結論が出るというメリットがあります。 そのかわり申請者の中で実際に融資を受けられるのは20%程度と審査に通る確率は決して高くないのがデメリットだといえるでしょう。
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追加の資金調達が容易!ベンチャー・キャピタルの出資
ベンチャー・キャピタルとはハイリターンを狙って攻めの出資を行う投資会社のことです。 ベンチャー・キャピタルに出資をしてもらうことは資金調達の有力な手段となります。 これは自社株の一部を譲渡する代わりにベンチャー・キャピタルの資金を用いて自社の運営を行うというものです。 融資ではなく出資なので当然お金を返済する必要はありません。
また追加の資金調達を受けやすいのも大きなメリットです。 ベンチャー・キャピタルは経営者自身が起業家の場合が多い点も魅力的といえます。 不足している人材を補ってもらったり事業提携先を紹介してもらったりするなど経営に欠かせないパートナーとしての役割も期待できるでしょう。 その反面、持ち株の一部を出資者に握られてしまうので経営に口を出され意に沿わぬ方針にも従わなければならなくなる可能性があります。 それどころか、持ち株比率によっては経営権自体を奪われてしまいかねません。
さらにベンチャー・キャピタルは会社の将来性に対して出資しているので経営が行き詰まったり将来性がなくなったと判断したりした場合には損切りのために資金回収を始める傾向です。 そうなると会社の経営を続けたくともできなくなってしまいますので注意が必要といえます。
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まだまだある!その他の資金調達の手段
起業資金が必要な場合、最初に頼りたくなるのは友人や家族などではないでしょうか。 頼みやすく返済の取り立ても厳しくなさそうなのが魅力です。 しかし借りる側のそうした甘えが、後々トラブルにつながったりもします。 そのため、こうした方法に安易に頼るのはおすすめできません。 どうしても家族や友人の援助が必要な場合は事業に関する説明をしっかり行い、そのうえで、きちんとした契約書を交わすようにしましょう。
またインターネットの普及によって注目された資金調達法にクラウドファンディングがあります。 これはネット上で事業計画や売り出したい商品などを発表し不特定多数の投資家から出資を募るというものです。 この手法を用いると幅広く出資を呼びかけることができますし同時に企業や商品の宣伝にもなるというメリットもあります。 さらに企業や自治体が主催するビジネスコンテストに自分の考えたビジネスモデルを持ち込み、そこで入賞することで起業資金を得るという手もあります。
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大切なのは説得力!資金調達の成功率を高めるポイント
資金調達の手段はいろいろありますが、起業前のなんの実績もない状態では融資を受けにくいのがデメリットです。 融資する側とすれば、事業が成功する根拠を何も見出せないわけですから貸し渋るのも当然のことでしょう。 それを補うには斬新なアイデア、綿密な事業計画、企業に勤めていたときの実績など、どういう形でもよいのでこの起業が成功すると思わせる材料を提示する必要があります。
そして、その材料として中心的役割を果たすのが「創業計画書」「創業資金計画書」「履歴書」の3点です。
まず創業計画書でどういったビジネスを行い、どのような勝算があるのかを説明します。 次に創業資金計画書で借りたお金をどうやって返していくのかの道筋を描きます。 最後に履歴書で実際に事業を行う自分という人物の魅力を知ってもらうというわけです。 融資や出資の可能性を高めるためには、これらの制作にじっくり時間をかけ、説得力の高いものに仕上げていくことが大切です。 たとえば写真や図解などを使うと相手にもイメージが伝わりやすくなり説得力が増すでしょう。 そして計画書が完成すれば家族や友人などに聞き役になってもらってプレゼンの練習を行いましょう。 審査の際、落ち着いて話ができるか否かで相手への説得力も変わってくるからです。
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まとめ
資金調達の手段にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。 たとえば補助金や助成金は返済の必要がないのが大きな魅力ですが、起業後の実績をもとに融資するか否かを決めるために起業資金として使用することはできません。 また自治体の制度融資は無担保低金利で融資を受けられますが、高い自己資金割合を求められるうえに審査に時間がかかるのがデメリットです。
一方、ベンチャー・キャピタルの出資に頼ると返済が不要であるという点に加え出資者からさまざまな便宜を図ってもらえる可能性が高いというメリットがあります。 その反面、経営に口を挟まれ、場合によっては経営権を握られてしまうことにもなりかねません。
したがって資金調達の手段を考える際には必ずメリットとデメリットの両方をよく検討し、自分にとってベストの方法を選択することが重要になってきます。 そのうえで融資や出資を受けられるように事業計画をしっかりと練り上げていきましょう。 それが事業成功の第一歩となるのです。
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