必読!フランチャイズ契約書の重要チェックポイント
ビジネスを始める際にすべて独力で行うというのは大変であり、特に初めての場合は相当な不安を覚えるものです。
その点、実績のあるフランチャイズに加盟すれば、ノウハウやサービスを提供してくれるので安心して店舗運営を行うことができます。
しかも、運営する企業の看板を借りて商売ができるので、集客力という点でも大きなメリットがあります。
ただ、注意が必要なのが契約書です。
内容をよく確認せずに契約を結んでしまうと、後になって想定外の負担を求められることにもなりかねません。
そのため、契約内容を正しく理解することが大切になってきます。
ただ、契約書の内容は多岐に及ぶため、何をチェックすればよいのかよくわからないという人も多いでしょう。
そこで、これだけは必ず確認してほしいという重要チェックポイントについて解説をしていきます。
1
正確な把握が必須!本部に支払う金銭の合計額
フランチャイズの契約書を読んだ際に、最初に確認すべきはフランチャイズ本部に支払う金銭についての取り決めです。
一般的に、加盟店はフランチャイズ本部から看板やノウハウを提供され、その見返りとして月々のロイヤリティを支払う仕組みになっています。
しかし、実際はそれ以外にも、本部に支払うお金は数多くあります。
加盟金、研修費、システム使用料などといったものです。
まず、その総額がいくらになるかを確認しましょう。
次に、加盟店側への説明会などで事前に提示された事業計画や売上推移予想などの資料と比較する必要があります。
なぜなら、説明会などではよいイメージを持ってもらうために、利益を強調して必要経費については過小に表現している場合があるからです。
もし、比較の結果、説明会で聞いていた以上の支払項目が契約書に盛り込まれていた場合には、より慎重を期さなければなりません。
本当にこの事業で大丈夫なのかといった点をしっかりと見極めていきましょう。
2
勘違いしやすい!契約期間と契約更新の内容
フランチャイズ契約には契約期間があり、途中で解約した場合は解約金が発生します。
もし、事業がうまくいかなくても解約金を払うと大きな損失になってしまうため、契約期間中はなかなか撤退ができないというわけです。
そのため、契約期間が長いほどリスクは高くなるということになります。
したがって、契約前には契約期間の確認が必須です。
また、契約更新料が別途必要な場合もあるため、そうしたコストもあらかじめ事業計画に組み込んでおかなければなりません。
さらに、契約期間がいつからカウントされるかの確認も重要です。
仮に、契約期間が5年だとすると、普通は契約を交わした日から5年と思いがちです。
しかし、実際はオープンした日から5年としているところもあります。
その場合、契約を交わしてから半年間の準備期間を経てオープンをしたとしても、その半年は契約期間としてカウントされません。
一定期間が経過して解約ができると思っていると、まだ条件を満たしていなかったということにもなりかねないため、注意が必要です。
3
リスクマネジメントの点からも検討!違約金条項の内容
フランチャイズ本部は契約違反に対する違約金を定めています。
契約違反によってフランチャイズ全体に悪影響がでるため、それを抑止するのが目的です。
しかし、もし違約金条項の内容を知らなければ、うっかりその行為をしてしまって莫大な違約金を求められることにもなりかねません。
そのため、「どういった場合に違約金が発生するのか」についてしっかり理解しておく必要があります。
同時に、違約金の設定が妥当かどうかも検討しなければなりません。
あまり高すぎると万が一のときが心配です。
しかし、違約金の設定が低ければ低いほどよいというわけでもありません。
あまりにも違約金の設定が低すぎたり、違約金を払わなくてもよいという契約だったりした場合、加盟店が好き勝手をやってフランチャイズ自体が崩壊する可能性が高くなります。
したがって、「違約金条項の内容と違約金の設定は本部のリスクマネジメントの意識の高さを表している」といった観点から内容の良し悪しを検討することも重要になってくるでしょう。
4
金額の妥当性は専門家に相談!中途解約における解約金
「中途解約の取り決めがどうなっているか」についての確認も契約前に必ず行わなければならないことの一つです。
フランチャイズに加盟したものの、どうしても契約期間が終了する前に解約をする必要が生じてくるケースもないとはかぎりません。
しかし、解約金が高すぎると、脱退したくともお金が払えないといった事態が生じてしまう恐れがあります。
そのため、違約金が過度に高いところは避けたほうが無難でしょう。
一方、中途解約の内容は違約金条項と同じく、フランチャイズ本部のリスクマネジメントに対する姿勢を端的に表すものです。
簡単に脱退できるのは加盟する側にとってはありがたいかもしれません。
しかし、あまり気軽に脱退できるようだとフランチャイズ崩壊につながってしまう恐れがあります。
そのため、この場合に関しても、リスクマネジメントに対して本部はどう考えているのかといった視点で条文の内容を確認することが大切です。
また、中途解約時の解約金については金額を一律いくらと決めている場合もあれば、残りの契約期間におけるロイヤリティの総額を解約金と定めるなど、さまざまなケースがあります。
その金額が妥当かどうかは弁護士などの専門家に相談してみるのがよいでしょう。
5
しっかりと確認しておきたい!競業避止義務の範囲
フランチャイズ本部は加盟店に対して本部と同種あるいは類似したビジネスを一定期間禁止する競業避止義務を負わせるのが一般的です。
しかも、競業避止義務は加盟契約が終了した後も続く場合があるので注意が必要になります。
契約が終了したからといって、自分で似たような商売を始めると違約金の支払いを求められてしまうというわけです。
これは加盟店からノウハウが流失してフランチャイズとしての優位性が失われるのを防ぐためのものです。
したがって、いずれフランチャイズを離脱して独力でビジネスを行いたいと考えている人は、この点についてよく検討しなければなりません。
たとえば、安売りの焼き肉を目玉にしたフランチャイズに加盟していた場合、「安売りの焼き肉が競業避止義務違反に当たるのか」「焼き肉自体が駄目なのか」によって将来のビジョンは変わってきます。
競業避止義務の範囲については事前に本部と話し合って、きちんと理解をしておくようにしましょう。
6
正確な理解のため!わからない点は積極的に質問しよう
契約を行う前に契約書をしっかり読むのは大切なことです。
しかし、読んだだけでは意味がよくわからない場合もあります。
そのときにはどんどん人に聞いていくようにしましょう。
最初に契約書を熟読し、意味のわからないところや疑問に思った箇所はメモをとっておきます。
そして、ネットなどを利用して、まずは自分で調べてみるのです。
ちなみに、中小企業庁、公正取引委員会、日本フランチャイズチェーン協会などであれば信頼度も高いでしょう。
注意事項やよくあるトラブルの事例などについての情報も豊富です。
一通り調べてもわからない点があった場合には、本部の担当者に連絡をして尋ねてみましょう。
ただ、担当者は本部の利益を代表する立場なので本当に正確な情報を教えてくれるのか不安になるかもしれません。
そのときは、フランチャイズ加盟店の先輩に話を聞いてみることをおすすめします。
「自分で店舗を訪ねてみるか」「本部に先輩加盟者を紹介してもらえるか」を尋ねてみるのも一つの手です。
また、より専門的な意見がほしい場合は弁護士、税理士、商工会議所の担当員などといった専門家に意見を求めるのがよいでしょう。
7
まとめ
フランチャイズはビジネスに不慣れな人にとってノウハウを提供してくれるありがたいシステムです。
しかし、その反面、契約内容をよく理解していないと、多額の違約金を求められるなど、思わぬ損失を被ることになりかねません。
それを防ぐには、契約書をしっかりと読むことが重要になってきます。
特に、「本部に支払う金額はいくらか」「契約期間はいつまでか」「中途解約や違約金条項の内容」「競業避止義務の詳細」については絶対に押さえておいたほうがよいでしょう。
ただ、契約書を読んでも書いている内容の意味がよくわからないといったケースもあります。
そのときには、まずネットなどで調べたうえで詳しい人に尋ねてみるのが一番です。
いずれにしても、契約書を理解することはフランチャイズへの加盟を成功させるための第一歩です。
労を惜しんで、後になってから「こんなはずではなかった」ということがないようにしましょう。
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