美容室を独立開業するときに必要な設備・備品とは！？

1

まずはカットやカラーを行う環境づくり！椅子やシャンプー台

まずなんといっても必要な設備は、カットやカラー、パーマを行うための椅子やシャンプー台です。

まずは椅子、いわゆるスタイリングチェアと呼ばれるものについてです。実はお客様が座る椅子には、ボタンひとつで高さを調整できる全自動のもの、フットペダルで高さ調節を行う油圧式のものなどに分かれ、メーカーもデザインも様々なタイプから選択することができます。スタイリングチェアはお店の内装にも影響を与えるものですから、店舗のイメージと調和するデザインを選びたいところです。

また、30分から2時間と長い間お客様が座る椅子ですから、快適性も重視しなければなりません。選ぶポイントとしては、「長い間座る」ことを前提に快適性を担保したうえでデザイン性を求めるのが良いでしょう。

シャンプー台も欠かせない設備のひとつです。基本的には水道管と連結するため壁に備え付けるものが多いですが、スタイリングチェアと連結した商品もあります。椅子と連結されている場合は、価格が高くなるほか水道を通すために工事が必要となるため、設置場所が限定される可能性があることを念頭に置いておきましょう。

チェアとシャンプー台はどちらもそれなりに場所をとる設備ですから、店舗の間取り上、設置できる台数が限られてきます。美容室の経営計画上、1日当たりの回転数も考慮しながら、適切な台数を検討するとよいでしょう。

2

メニュー次第でチョイス！パーマやトリートメント機材

カット専門の美容室であれば不要になる機材ではありますが、多くの美容室がパーマやトリートメント、カラーは通常のメニューに含めて営業を行うでしょう。お店で経験を積まれている方であればわかる通り、パーマやトリートメントに対応するには専用の機材が必要になります。

機材にはパーマからトリートメントまで1台で幅広く対応できる機材のほか、「エアウェーブ専用」といったように用途に特化した機材があります。幅広く対応できる機材ほどコストパフォーマンスが良くメニューが充実するため、開業初期の段階では1台で多用途に対応したものを選択し、お客様のニーズに応じて専門機材を導入して他店舗との差別化を図ったり、お店の強みにしたりするほうが良いでしょう。

注意点としては、専門機材は多機能であるほど使いこなすためには知識や経験が必要となります。スタッフが使いこなせなければ宝の持ち腐れとなってしまいますので、導入の際にはメニュー構成、スタッフの力量を含めて検討しましょう。

スタイリングチェアと並び、専門機材は高価なものも多いため、買い揃える以外にリース（レンタル契約）という選択肢もあります。ランニングコストはかさみますが、初期費用を抑えることができるほか、長期から短期間と利用期間を選べるメリットもあります。限られた資金を有効活用するために、初めから購入をするのではなく、購入前にレンタルをして試してみるのもオススメです。

3

少しずつ揃えていくのが正解！お店に必要な備品や消耗品

カットで必要なハサミやコームはスタッフが自前で揃えるのが基本ですが、その他にもシャンプー用品やカラーリング、スタイリング剤やエクステンションなど、美容室で必要な道具や備品は多岐にわたります。シャンプーやカラーリング、スタイリング剤は種類を増やすほど、お客様の髪質やスタイルに対応できるためサービスが向上しますが、最初に用意してしまうと購入したもののニーズがなく使う機会が少ないものもでてきますから、初期段階では以前のお店での経験や先輩美容師のアドバイスを踏まえて、最低限のものを揃えればよいでしょう。

また、ドライヤーやクロス・ケープなど最低限必要な道具については、カット・シャンプーを同時に行える人数分に予備を用意すれば問題ありません。また、タオルやロッド、手袋、トイレットペーパーなど、消耗品だけでも数多くの備品を揃える必要があります。いずれの道具も、必要だと感じて揃えてしまいがちですが、本当に使用するかは開業して一定期間経過しないと分からないものです。イメージだけでなく、実際の使用頻度や必要性をヒアリングしてから購入を検討しましょう。

4

インテリアや小物はお店作りに必要不可欠！イメージアップにつなげよう

最後に、お店作りに欠かせないインテリアや小物です。

といっても、ご自身のセンスだけでなく、他店舗や居酒屋, バー、インテリア系の雑誌・Webサイトなど、参考にできる材料はたくさんあります。その中でイメージに合ったものを選択するとよいでしょう。

例を挙げれば、鑑賞植物、ガラス・シルバー製の置物など、お会計スペースやミラーの前に置いておくだけでも雰囲気が変わります。メガネ置きひとつとっても、様々なデザインのものがありますので雑貨店で気に入ったものを探してみましょう。

また、待ち時間やカラーリング中など、お客様が時間を持て余さないよう、雑誌などを用意しておくのもよいでしょう。カット・スタイリングのイメージが載っているヘアカタログは多くのお店においてあるものですが、お客様が時間をつぶせるだけでなく、スタッフがイメージやニーズを把握するためにも有効なツールになります。そして、お帰りになる前にドリンクを提供するだけでも、お客様の満足度が変わってきます。冷蔵庫の用意が必要になりますが、ドリンク自体は高いものではありません。ちょっとした気配りを示すことでお店に好印象を抱いてもらえるのではないでしょうか。こういったものはお店の個性を出せるだけでなく、比較的費用も少額で雰囲気やサービスの向上が図れますので、積極的に活用するとよいでしょう。

5

まとめ

納得のいくお店作りは、最初のタイミングが重要です。事業計画から始まり立地選びや店舗の内装設計、必要な道具や備品の調達など、多くのステップを踏む大変さはありますが、じっくりと時間をかけて準備したいものです。

特に設備や道具、備品は多岐にわたり価格・種類も多種多様です。自身の理想のイメージが先行し、資金的に妥協しなければならないこともでてくるでしょう。お店作りのコツとしては、雰囲気、メニュー、サービスなどの優先順位を明確にし、妥協できるものとそうでないものを切り分けることです。そして、顧客数や客層は想定とは異なるケースも多々あるものですから、最初からすべて完璧に揃えるのではなく、お客様のニーズや運営状況に応じて都度買い換えや買い足しを行う意識も重要になります。

美容師として店舗で経験を積んでいる段階では、経営者として店舗に何が必要か悩んでしまうのは仕方のないことです。自身の経験の他、他店のリサーチやお店の店長のアドバイスなど、様々な情報を参考に理想のお店作りを目指しましょう。