飲食店を開業する上で知っておきたいポイントを紹介!
新規開業や独立で多いのが飲食店です。食は私たちの生活と密接にかかわっているので、新規参入をする人が多くいる業界といえるでしょう。
食べることが好きで、趣味の延長線上で開業を考えている人も多くいます。
しかし、なにも知らずに開業してしまって大失敗してしまったという人も一定数いるのです。
飲食店は開業するのは簡単でも、安定的に収益を上げ続けるのは相当難しいといわれています。
飲食店で失敗してしまう人の多くは、事前の知識不足が原因です。
そこで、ここでは飲食店を開業する上で、最低限これだけは知っておきたいという知識を網羅的に紹介します。
これから飲食店の開業を考えている人は、ここで紹介する知識は最低限押さえておくようにしましょう。
1
開業準備段階では業種や業態をしっかりと決めておく
飲食店を開業するうえでまず考えなければならないのが業種や業態です。業種と業態という言葉はよく混同されがちですが、意味はまったく異なります。業種というのは、中華や和食などのように、提供する料理の分野をいうのに対して、業態というのはもっと細かい分類になります。
例えば、「どのようにその料理を提供するのか?」や「どんな客層に料理を提供するのか?」「営業時間はどのぐらいなのか?」というような具体的なお店の運営方針です。飲食店を開業しようということを考え始めているのであれば、多くの場合は業種というものはすでに決まっていることが多いですが、業態に関しては決まっていない人も多い傾向です。
飲食店の開業準備段階では、「どんな料理を提供するのか?」ということも大切ですが、それよりももう一歩踏み込んだ「どのように料理を提供するのか?」という業態の部分を細かく決めておくことが大切です。これは言い方を変えるとコンセプト作りともいえます。コンセプトがブレすぎていると、個性のないどこにでもあるようなつまらないお店になってしまいがちです。競合他社との差別化を図るためにも業態までしっかりと考えておきましょう。
2
開業する場所を決めよう!立地の重要性
飲食店だけではなく、小売業やサービス業などは特に集客が重要です。特に飲食店経営では集客力が売り上げに大きな影響を与え、一般的には売り上げの70%は集客で決まるとも言われています。例えば、都内の駅近くに店を出店するのと、地方の郊外に出店するのとでは売り上げが大きく異なることは容易に想像できるでしょう。これは極端でも、駅から1キロメートル離れるだけでも売り上げに影響が出てくるほど立地が重要だということです。
また、業種や業態に合わせた立地選びというのも重要になってきます。昼にランチで安く食べられるようなお店を出店するのであればサラリーマンやOLの多いオフィス街に出店するのが良いですし、少し高級なお店でディナーをメインにするのであればデートや観光スポットとして人気の場所に出店するのが正解です。業種や業態に合わない立地を選択してしまうと、提供している料理は素晴らしいものであっても、上手く利益を最大化することができず、経営難に陥る可能性がありますので注意が必要です。
3
他店には絶対に負けないアピールポイントを作ろう!
お店を繁盛させるうえで重要なのが他店にはないアピールポイントです。独自性やオリジナリティといってもいいでしょう。ありきたりなお店にならないためにも、「ここのお店でなければダメ!」とお客さんにいってもらえるようなアピールポイントを作ることが重要です。飲食店をはじめて開業する場合によくありがちなのが、なんでもかんでも良くしようとして、結局すべてが中途半端になってしまうというケースです。こうなってしまうと、特徴のないお店になってしまいますので、まずは「ここだけは絶対に他店には負けない」というアピールポイントをひとつ決め、そこを徹底的に磨いていくようにするといいでしょう。
わかりやすい例でいうと価格です。その業種ではありえないくらい安い価格で料理を提供するというのは大きなアピールポイントになります。そのほかにも、お店の作りや雰囲気、料理やお酒の品ぞろえなどもアピールポイントとしてはよく使われます。アピールポイントは業種や業態によって大きく変わってくる部分ですので、自分の出店するお店の業種や業態と相談して大きなアピールポイントを作るようにして見てください。
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客層や利用シーンを考えてターゲティングをする
従前は2世帯、3世帯で訪れるお客さんも数多くいましたが、現代では核家族化も進み、大人数での外食の機会は年々少なくなっている傾向といえます。戦後は長男が家を継ぐというような意識も徐々に衰えていったことや、産業社会が変化して土地に縛られない働き方が増えてきたということが核家族化の原因と考えられています。これは飲食店を開業する上でどのような意味があるのかというと、ターゲティングが以前よりもまして重要になってきたということです。
以前であれば、フードコートのようなバラエティ豊かに食べられるお店というのが流行っていましたが、現代ではなんでも食べられるというような特徴のないお店は淘汰されていく傾向にあります。むしろ、現在は極端ともいえるほど明確なターゲティングが重要だといわれており、お店の作りや料理のメニューを見て、「ここはまさに自分のためにあるお店だ」と思わせることが重要です。
そのためには、「どのようなお客さんに来てほしいのか?」という客層や利用シーンを細部までイメージしておく必要があります。これはすでに解説しましたが、万人受けを狙うと、どうしても特色のないお店になってしまいます。これを避けるためにも、ターゲット以外は切り捨てるくらいの覚悟で鋭いターゲティングをすることが大切です。
5
開業までのスケジュールを立てよう!
どのようなお店を開業するのかによっても大きく変わってきますが、一般的に飲食店の開業準備には、3カ月から半年ほどの期間が必要だといわれています。「いつまでに開業したいのか?」という目標の時期を設定したら、「その時期までに何をしなければいけないのか?」というスケジュールを流れに沿って組んでおくようにしましょう。飲食店の開業準備における大まかなスケジュールを書くと、まずはお店のコンセプト作りを行い、そのコンセプトに基づいて資金調達を始めます。これが開業の半年前から3カ月前ほどになります。そして店舗の賃貸契約を結び、お店のロゴや看板、メニュー構成に着手していきます。
これが開業から2カ月前くらいになります。その後、具体的な内装や厨房などの工事契約を行い、電話回線や印刷物の発注を行います。これが開業の1カ月前くらいまでにできていると順調です。残りの1カ月で、食器や備品の購入、仕入れ、店内の清掃、リハーサルなどを行い、晴れて開業となります。この一連の流れを自分のお店にあてはめ目標開業時期から逆算してスケジュールを組み立てていくようにしましょう。
6
開業にはどれくらいの資金が必要?相場はどれくらい?
テスト飲食店を開業するとなったら必要になってくるのが資金です。この資金に関しては、書店などでも少額開業などのタイトルで本が並んでいますので、「少額かつ、必要最低限の金額で開業できるのか」と思っている人も多いでしょう。しかし資金は潤沢にあるに越したことはありません。確かに、移動販売や軒先、屋台など、業態を工夫することで開業資金を抑えることはできますが、それであっても資金力は重要になってきます。資金力が必要な理由としてはいくつか挙げられますが、もっとも大きいのはお店が軌道に乗るまでにある程度の時間がかかると予測できるからです。
開業してすぐに軌道に乗って利益が出たというお店はほんの一握りです。ほとんどのお店は、開業準備にかかるお金と広告費や仕入れ代金などの運転資金で赤字という状態が数カ月は続くと思っていた方がいいでしょう。開業準備段階で用意しておく資金の目安としては、かなり節約しても200万~300万円程度、一般的な相場としては600万円程度といわれています。内装やメニューなどにこだわってしまえばいくらでもお金をかけることはできてしまいますが、最低でも600万円程度は用意しておくようにすると安心して開業することができるでしょう。
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まとめ
ここまでで紹介してきた内容はどれも重要なものばかりですが、最後に理念も重要であるということを忘れてはいけません。理念というのはお客さんにおいしい料理を提供したいというような自分の熱い想いです。これがお金儲けということだけを念頭に置いていると、多くの場合失敗します。大きく稼ぐのであればフランチャイズ化をするのが良い方法のひとつでしょう。
しかし1店舗目から考えに入れて開業をしてしまうと、人気店を作り上げるのは非常に困難です。あくまでも、まずは1店舗目を人気店にするということを念頭に置いてがんばっていくことが成功の秘訣です。お客さんの立場に立った経営というものを忘れてはいけません。ここで紹介した内容を参考にして、ぜひ飲食店の開業を成功させてください。
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