飲食店を開業したい方へどれくらいの資金が必要?
飲食店を経営するというビジネスは、他の業種と比べると参入障壁が低く、うまく軌道に乗せていくことができれば、人脈や資金、経験が乏しくても十分成功することができるビジネスモデルです。
個人店であっても方法や工夫次第で大手に対抗することができます。
経営上の改善の成果がお客様のダイレクトな反応によって目に見えやすいので、柔軟な思考と行動力があれば成功の確率が高くなっていく傾向です。
しかしその反面、参入者の数は多いため競争は激しく、また利益効率のよいビジネスモデルではありません。
そのため経営に関するしっかりした知識がないと大いに苦戦することとなります。
そこで今回は飲食店開業に関する基本的でなおかつ重要な「お金」に関する知識をご紹介いたします。
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まずは物件の取得!必要となる資金はどれくらい?
飲食店の開業で最も重要な要素のひとつとなるのが「どこで開業するのか」という点です。立地の良さは飲食店開業の成功を大きく左右するもので、ここをしくじるとどんなにおいしい料理や優れたコンセプトを提供しても成功する確率は大きく下がります。したがってターゲットとなるお客様が通いやすい立地を選び、提供するサービス内容と相性の良い土地柄や立地を選ぶことが非常に重要となります。
物件の取得にかかる費用は店舗の規模や地域によって大きく変わります。飲食店の経営においては「いかに短い時間で投資資金を回収することができるのか」が極めて重要になりますので、できるだけ初期費用は抑えたいところです。そこで飲食店に向いていてなおかつ初期費用を抑えられる優良物件を探しださなければなりません。物件の取得費の内訳をざっと挙げると、保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、手付金、前家賃などが考えられます。保証金は家賃の6~10カ月分ほど、礼金は家賃の1~2カ月ほどが相場ですが、都市部の繁華街などでは家賃の20カ月分の保証金を要求されることもあるようです。
この他にも、前のテナントが使用していた内装や設備が残っている「居抜き物件」の場合は「造作譲渡料」がかかることがあります。これは前のテナントが備え付けた内装や備品類をすべて撤去せず、新しい借り手がその一部を買い取る際にかかる費用のことです。こうした費用をトータルすると、東京23区や大阪市、名古屋市などの大都市で人の集まりやすい駅周辺などの繁華街で出店する場合、店舗面積が30坪以下の小規模の物件の取得にかかる費用は500万~1,000万円といったところです。
もちろんこれらの費用は立地や物件の性質、大家さんとの交渉などによって大きく変わります。ただオーナーの多くはこうした費用を低く見積もりがちな傾向で、「思ったより費用がかかった」という感想を持っていることも少なくありません。
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居抜き物件の方がお得!内装工事に必要な資金の目安
物件が決まれば次に店舗の内装工事を行います。飲食店の内装は店のコンセプトを決める重要な要素です。ただし内装はこればこるほど工事費も青天井になってしまいます。内装工事費は全ての開業資金の中でも大きなウェイトを占めてしまう費用の1つですので、最初に大体の上限額を決めておくことが事業計画上とても大切になります。
大まかに言って内装工事費にかけられる費用は次のような目安を参考に考えていきましょう。まず新築などの物件に多く内装などが何も施されていない「スケルトン物件」の場合は1坪あたり40万円以下、「居抜き物件」の場合は10万円以下という金額が飲食店の内装工事費用の基準となります。これを超える内装工事費は費用をかけすぎと考えられます。例えば30坪の居抜き物件の場合は内装工事費の上限額は約300万円です。したがってこの上限額をベースに、お店のコンセプトに合った内装を選んでいきましょう。
どうしてもコストがかかる場合は造作譲渡料を払って前オーナーの設備の一部を利用してみたり、複数の内装工事会社の合い見積もりを取ってみたりするなどねばり強く工事業者と交渉することも大切です。自分でできる部分は自分で内装工事をするなどの工夫も必要です。費用を抑えるのなら新築やスケルトン物件よりも居抜き物件の方が断然お得になります。「自分の店舗のコンセプトに合った内装を作ること」と「初期費用をできるだけ抑えること」この2つをうまく両立させながら内装工事費を決めていきましょう。
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コストをかけすぎないように!厨房設備に必要な資金
物件取得、内装工事が終わったら、次に厨房設備や備品類などを準備していきます。これらの費用もできるだけ抑えたいところです。厨房設備に関しては中古と新品の価格差がそれほど大きくない傾向にあります。冷蔵冷凍庫、ガスレンジ、オーブンなど故障してしまうと営業に支障をきたすような重要な機器類に関しては、思い切って新品を購入する方がよいケースもあるでしょう。
新品の場合はメーカーの保証なども確実ですので、代表的なメーカーに目星をつけて、それぞれに見積もりを出してもらって検討することをおすすめします。ただし居抜き物件に元からある設備に関しては、5年以上経っていないものであればそのまま利用しても問題がないことが多い傾向です。その他のシンクや調理器具、皿、棚などの備品一式は中古機器販売業者を通じて中古でそろえておくといいでしょう。ネットで注文できる業者も多くありますので、できるだけ送料のかからないように注意して効率よく購入しましょう。トータルしてこうした厨房設備にかける費用は100万~200万円程度に収めておきたいところです。
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経営には必須!広告宣伝に必要な資金を準備しよう
物件も設備もそろって、「いざ開業」となる前に重要な仕事がまだ残っています。それが「店の宣伝」です。どんな業種の店舗であっても新規のお客様を呼び込むことは必須です。新規客を呼び込めないということは売り上げが減っていく大きな要因となります。
特に飲食店は固定客が付きづらい業種ですので、開業前、開業後を通じて常に一定の新規客を呼び込むための広告、宣伝に対して一定の費用をかけていく必要があります。飲食店の見込み客は近年、インターネットの検索経由のお客様が増えています。そのためまずはネットで検索されるようにホームページやブログ、ネット上の広告を準備しましょう。さらにグルメサイトへの登録、SNSを使った宣伝も大きな影響力を持ちます。これらは自力で準備すればコストをかけずにできますが、方法や技術も多様ですので、あれもこれもとやっていると膨大な手間がかかってきます。最低でも自分のお店が検索されるようにするため、お店のブログやサイトを1つ作っておくことから始めましょう。
またチラシやポスティング、タウン誌への出向といったアナログな方法も重要ですが、費用対効果が大きい広告方法ではありません。したがって最初に一定の広告費用を決めておいて効果を見極めながら試行錯誤して運用していくことが大切です。広告にかかる費用はあればあるほど有利になりますが、開業段階でそれほど広告に費用をかけられるわけではありません。タウン誌やチラシの費用は最低30万円ほどかかってきます。サイトやブログは自分で作れば年間1万円程度で済みますが、外注する場合は10万円以上必要となるでしょう。
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飲食店の運転資金どれくらい準備しておいたらいい?
いざ開業して事業を軌道に乗せるためには、ある程度の運転資金を準備しておかないと早々に経営が立ち行かなくなります。この運転資金がどれくらいかかるのかをざっくりとした目安をご紹介しましょう。あくまで一般論としてですが、運転資金は予想される月商の2カ月分程度は最低必要とされています。予想の月商額はどのように考えるかというと、まず初期費用の総額をおよそ4年で回収できるように年商を考えていきます。
一般的な事業での投資回収率は15~25%程度が適正と考えられていますが、飲食業界は業界のトレンドなどがかなり速い傾向にあることから、回収率は25%、つまり4年で初期投資を回収できるように計画を立てておいた方が安全です。例えば初期費用が2,000万円かかったとすると、年商は2,500万円と予想します。つまりこの場合は月商にするとおよそ208万円、したがってその2カ月分となる416万円以上が運転資金として必要と考えるのです(あくまでざっくりとした目安です。
実際はより緻密な回収計画を立てていきます)。運転資金にはオープン時の仕入れが含まれますし、人件費をかける場合にはさらに多くの費用を見積もっておく必要があるわけです。経営が軌道に乗るまでは半年以上かかることも多いですから、ある程度余裕を持った資金計画を立てておくことが重要だということがわかってきます。
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開業資金の一部は融資や補助金などを利用しよう
テストこうした費用を考えていくと、店舗面積30坪以下の小店舗であっても開業資金として1,500万~2,000万円程度は最低限必要となるということです。立地や物件の種類、店のコンセプト、さらにはフランチャイズによる出店かどうかなど、さまざまな要素によって開業資金に差は出ますが、いずれにせよある程度のまとまった資金が必要になります。こうした資金をすべて自己資金で準備できるのがベストですが、実際にそのようなオーナーはかなり少数です。
多くの方は銀行からの融資や公的機関の実施する補助金や助成金に頼ることとなるでしょう。ただし飲食店の開業では金融機関の審査は比較的にシビアとなります。うまく融資を引き出すためには綿密な経営計画書やプレゼンが不可欠です。銀行の場合は担保に入れられる物件を所有しているかどうかも融資を受けられるかどうかの大きなカギとなります。また政策金融公庫などの公的機関から融資を受けたい場合は、綿密な経営計画はもちろん、自己資金の有無も大きな審査要素となります。ケースによりますが融資目標額における3分の1(できれば2分の1)以上の金額を自己資金として準備しておきたいところです。
さらに各自治体が実施している補助金、助成金制度を利用するという手もあります。これらは実施する行政機関の設定した条件を満たせば、物件担保なしに資金を提供してもらうことのできる制度です。各都道府県の信用保証協会の保証が付いたさまざまな支援制度もあります。
これらの制度を利用する場合は事前審査に多くの書類などが必要となる場合が多いので、補助金制度に精通した専門家(税理士や会計士、社会保険労務士などが詳しいことが多いです)に協力してもらって申請手続きを行いましょう。審査のハードルは高めですが、いったん補助金などが下りると融資と違って返済する必要がないので、初期資金に乏しいオーナーにとって大きな助けとなります。
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まとめ
このように飲食店を開業するといった場合にはある程度の資金を準備しておく必要があります。大まかに言って物件取得費用、内装工事費用、厨房設備や備品などの設備費用、広告費用、そして事業を軌道に乗せるための運転資金など資金使途の幅は広いです。立地や業種の違いがあるとはいえ、小規模の店舗であってもおよそ1,500万~2,000万円ほどの資金が必要となると考えられます。こうした資金は自己資金と銀行融資、政策金融公庫などの公的融資、そして各自治体などが実施している創業支援に関する補助金・助成金制度などを活用して準備することがおすすめです。
融資や補助金の申し込みでは綿密な経営計画書などを作成する必要がありますので、こうした経験を通じて開業までにしっかりとした経営計画を練っておきましょう。
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